夢から覚めた街、舞浜を見に行く
我々の不断の努力・忍耐により、晴れて都道府県境を越えるお許しを与えられたその日、私は暫定停戦ラインを跨ぎ、数ヶ月ぶりに小池百合子統治下からの脱出に成功した。
向かったのは、東京ディズニーランド・ディズニーシーが休眠状態にある舞浜の地。東日本大震災時ですら翌月には営業再開をしていたことを考えると、この街が「夢から覚めている」景色というのは大変貴重なのである。
舞浜駅を出てすぐの時点で、すでに立ち入り禁止になっている。
「監視カメラ作動中」という無機質な警告文。とてもディズニーランドらしからぬ、「株式会社オリエンタルランド」としての統治を匂わせる感じがすごく良い。こういうのが見たかった。
舞浜駅には意外と人がいて、改札を出るとみんな左に向かう。
イクスピアリが営業を再開しているからだ。
半年ぶりに聞く「いってらっしゃ~い↑」の声に心が躍る。
入場時には検温が行われ(サーモグラフィーの前を人が歩いていく、空港方式)、なので流れ自体はスムースなのだが、混雑時を想定して待ち行列のラインが引かれている
ところ狭しと引かれた線が、狂気を感じて良い。
この光景はイクスピアリの中でも同様で、各店舗への入場列などがいたるところに引かれている。
まだ引くべき基準も曖昧なようで
斜めに移動していく「千鳥足方式」を採用している店舗もあった。
とは言えまだ、どの店舗も列ができるほど混雑していない。大規模商業施設の、開業前の地域住民向けプレオープンの時期のような雰囲気。
そこから、公共交通機関であるディズニーリゾートラインに乗る。
運転間隔は13分。車両1台だけが循環していることになる。
東京ディズニーランド。
こちらもソーシャルディスタンスを確保するための線が敷設されている。
ベニヤ1個分の間隔を開けて、黄色いテープをトンカチで叩いて貼り付けていく。
それにしても、こんなにジグザグしながら移動したら、駅からパークに入るまでだけで半端ない移動距離になりそうである。再開後、ゲストは体力勝負になりそうですね。
それと気になるのはパーク内。密集しそうな場所でも、ディズニー的に「近付かないで」「離れて」「間隔を開けて」という直球のリクエストは忌み語にしそう。「このあと、皆さんの間をダッフィーたちが通ります。ダッフィーが来た時に通りやすいように、1人分、間を開けてくださいね」みたいなアナウンスをして、「なるほど、ちゃんと間を開けておけばここをキャラクターが通ってくれるかもな」みたいな子供でも分かるベネフィットを訴求して無意識に行動変容を促す、くらいのホスピタリティは発揮してくれる、気がする。密閉・密集・密接はすべてNGワード指定、「あいだ」「すきま」「とおりみち」みたいな言い方になるんじゃないかな、という想像。
ホテルも工事中だけど、足場が直接見えないようにホテルの外観を模した布を被せてる。
他にも大規模工事は各所で行われている。
普段なら絶対に軽トラがいないところに軽トラがいる。
ちなみに駅からは外に脱出できないようになっている。
ディズニーシー・ステーションは、乗車用と降車用でホームが分かれているので、どういう運用になっているのかと思っていたが、改札機を開放して駅舎から出られないような運用にしていた。
ちなみにオリエンタルランドの株価は、すでに前コロナ水準に戻ってるからすごい。早く営業再開されると良いですね。