ジャンクションのある町 箱崎には、無機質な巨大構造物特有の閉塞感がある。

成田空港に車で向かうと、途中で「成田市街」方面と「成田空港」方面で分岐する標識があって、そこで「ああ、成田は空港だけじゃなくて、普通に住んでる人もいるんだよな」という当たり前のことに気付く。

 首都高だと「羽田出口」もそうだし、「浦安出口」もそんな感じがするし、「箱崎出口」もそんな感じがする。

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箱崎はジャンクションの印象が強いが、その下には町があって人が住んでいる、というのは、近くに引っ越してきてみて初めて気付いたことだ。 

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この町の頭上は高速道路が覆う。

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じっと見ていると首都高は大蛇みたいに見えてくる。

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公園の中央には首都高の支柱が鎮座する。

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ジャンプしたら手が届きそうな高さで首都高が走っていて、その下に遊具があって人が遊んでいる。

雨の日も遊べるから良いのかもしれない。

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首都高で行き止まりになる。

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3層構造で道が架かる。

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4本の首都高に押しつぶされそうなセブンイレブン

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”第4層”の箱崎には人が住んでいる。

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頭上を巨大な構造物が覆う町には、特有の閉塞感を感じる。のは、まだ慣れていないからなのか。f:id:mohi_wakame:20180629114214j:plain

信号機が頭打ちになっている感じがなんともこの町っぽい。

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巨大な構造物と共存する道を選んだ住民たち、というのは異世界っぽさがあって良い。

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やっぱりインフラは萌えますな。えぇ。

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グルコミ(グルメコミックコンベンション10)出展情報

 前回大好評の花椒マシマシ麻婆豆腐 を、さらにスパイスを濃縮してパワーアップ

それと、麻辣ひとくちシャーピン。が新メニューです。

前回の調理参加体験記の本も置きます。

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ちなみに試作(試食)過程で発覚したんですが、

ひとくちシャーピンを、麻婆豆腐に漬けて食うとめちゃうまでした

ぜひご賞味ください。

「自由ポータルZ」入選を目指す。

 

「自由ポータルZ」という、企画がある。

 

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↑「自由ポータルZ」

デイリーポータルZ の企画の一つで、一言で言うと読者投稿企画。

「自由にデイリーポータルZみたいなことをする」というのがコンセプトのようで、毎週、数作品が「入選」し紹介・講評してもらうことができる。

友人の 千鳥あゆむ (@chidoriayumu)少年B (@raira21)両氏と話をしていたとき、二人ともこれに入選したことがあり、入選したことがないのは私だけだという話になった。

 

なんだそれ、めちゃくちゃ入選したいじゃないか。

 

ということで、早速コンビニに行ってお菓子を買ってきた。

 

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テーマを"コンビニのお菓子"に定めたのは、「身近さ」が読者にウケるという意見を貰ったから。選んだお菓子が7種類なのは、「奇数のが良い」というアドバイスによるものだ(なぜなのかは知らない)。

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↑7個でちょうど900円だった(こうした分かりやすい”エピソード”を積み重ねることで読者に「現場感」を与えられるようだ)。

ということで、早速お菓子を食べていきたい。

 

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まずは「2種の醤油で仕上げた あとひき柿ピー」。

なんでも、たまり醤油と濃口醤油で味付けされており、あとをひくやみつきな味なのだそう。食べてみると、安心して食べられるいつもの柿ピーの味。心なしか普通の柿ピーよりもピーナッツの割合が多い気がしてうれしい。

ビール飲みたくなる度:★★★★

 

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次は、「くちどけチョコレート 白いダース」。

ホワイトチョコらしい品のない甘さがなんとも口に優しい。黒いチョコレートより好きだ。

疲れてるときに食べたい度:★★★★

 

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次は、「果汁グミ マンゴー」。

パッケージには「マンゴーミックス果汁 100(生果汁換算比)」とあり、単位が記されていない。まさか誤植ではないだろうから、単位はパーミルだろうか。

ともかくマンゴー感あふれるジューシーな味で美味しい。マンゴージュースを飲んでるみたいだ。

南国に来た気分度:★★★★★

 

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次は、「チップスター うすしお」。

チップスターはきちんと筒に入っていて、カバンに入れても割れないので便利だ。わたしはオフィスワーカーなのだが、なんとなく自分のデスクで袋のポテトチップスは食べにくいがこれなら食べられるので重宝している。

割れない度:★★★★

 

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ポッキー。リリー・フランキー氏のイラストが付いている期間限定デザインだ。

リリー・フランキー期間限定デザイン度:★★★★

 

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「明治チョコスナック たけのこの里」。

期間限定なのかは分からないが、「たけのこ党」と記されたタスキをし擬人化されたたけのこの里が2名(うち1名は「絶対に負けないYO!!」と発声、もう1名は新聞を読んでいる)絵と、その隣には擬人化をされていない「たけのこの里」が5つ、「たけのこ党」と記されたタスキをし配置されている。忖度だろうか。

忖度度:★★

 

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最後は、ココナッツサブレ

ココナッツサブレって日清だったんだ、度:★★★★

 

ということで、優勝は

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ポッキーに軍配が上がりました(美味しかったから)。

 

結論:お菓子はうまい。

お菓子はうまい。うまかったのだが、食べてる途中に横槍をたくさん挟まれたり、「こういうのは記事で言及した方が良い」とツッコミを受けたりして、食べた気がしなかった。自由ポータル入選を目指すあまりに不自由な時間を過ごす羽目になった。

京都で撮った「いけず石」画像13選

今年のお正月は京都に行った。

 

 行ったんですが、京都には「いけず石」というものがあります。

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この黄色い石ですね。

関東だと支柱なんかが同じ役目を果たしていがちな、この「いけず石」。

支柱がおっ立ってる方が威圧感はありますが、実際のところ運転席から視認できる点でドライバーフレンドリーだったりします。その点、この「いけず石」は(特に左折時は)運転席から見えないし、それでいて縁石と違って 巻き込んだら確実に車体が傷付く絶妙な高さで設置されている、なんとも京都人らしい奥ゆかしい石なのです。

古都京都ではそこら中にあったので、一行は魅了されっぱなしでした(左に立ってるのが同行者)。

以下、淡々と「いけず石」を愛でます。

 

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まずは王道パターン。

 

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じっと見てると、すみっコぐらしみたいな愛おしさがあります。

 

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これも王道ですが、「雅な見た目のカラーコーン」との合わせ技です。初めて見た。

 

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やや角ばった石。

 

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だいぶ成形された「人工型」。色も着いていて、ポールに進化する過程なのかもしれない。

 

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小さいのが寄せ集まった型。

 

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タイヤホイールとの共演型。

 

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あえて角からちょっと離れたところに置く型。

 

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角ではなく辺に置く型。

 

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ご隠居型(花壇に世代交代を果たしたので、一線を退いて後ろでそっと見守っている。ブロック塀が間を取り持っている理由は知らない)。

 

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先代いけず石はご隠居し手厚く守られ、まだ小さな後継が鎮座し、それを支えるかのようにポールも立てておいた型。

 

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これは亜種で、電柱と建物の間をどうしても塞ぎたかった型。

公道上に置いているように見えるが、公道に石を置いてはいけないと思った。

平成を振り返る #忘平成会 を開催したら 忘れられない思い出になった

いつも通り、タイトルの通り。

最近、たまに変なイベントを開催していて、

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↑前々回と前回

 

今回は、忘年会シーズンを前に平成ごと忘れる*1という趣旨で、「忘平成会」を開催した。

会場はスナックを貸し切ったところ、図らずも昭和な雰囲気になった。

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昭和生まれの人による、紙芝居で幕を開けた。

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官房長官より現元号の発表があり、会が始まった。

元号、まさか平成だとは思わなかったのでびっくりした。

その後冒頭、私が「平成30年間の流行語を振り返りながら、来年の流行語大賞を予想する」というプレゼンを実施した(予想の内容はその場にいた人だけの秘密です)。

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その後は、思い思いが持ち寄ったモノをプレゼンしながら、平成の30年間を振り返った。

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ゲーム機を持ってきてくれた人が多かった。

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MD。

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過去の遺物となったフィーチャーフォン

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ミニ四駆とたまごっち。

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ポケモンいえるかな

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いかがわしいトランプ

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びよ~~~んってするやつ

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ハム太郎の体型の変遷を読み解いた。

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同人誌即売コーナーを設けたところ、「自分がかつて書いた黒歴史小説」を頒布する人などが現れた。

 私は、「友人がかつて書いた黒歴史小説の考察同人誌」を出した。余ったので冬コミに持っていこうと思う。

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スナックなので飲食物を提供することが許容された

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平成を代表するカクテル「ヤマンバvs白ギャル」

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フードメニューは、「狂牛病対策のため急遽代替された豚丼」などが供された

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最後は、平成を象徴する曲がライブで演奏され、幕を閉じた。

 

以下、参加者の声。

 図らずもオタクの参加者が多く(オタクの友人は大抵オタクのため)、その手のコンテンツだと話題が深まるなどした。2006(平成18)年がエポックだ、との説があった。

 「かわいい」は30年間で変わる。

 何が良かったって、参加者丸投げ型のプレゼンだったのに、喋る人もさほど偏らず、ニッチすぎることを話す人もおらず、かといって聞いてて興味をそそられるくらいには捻った話ばかりがでてきたので良かった。というか皆さんプレゼンが上手い。

 平成の歴史はインターネットの歴史でもあるかもしれなかった。

 たしかにあの日わたしたちは、平成という時代の走馬灯を見ていたのかもしれない。

次回開催のご要望がございましたので、次回はまた次の改元の時に開催しようと思います。

参加者各位は、どうか次の改元まで生きててください。

*1:なお私は平成生まれのため、事実上は人生ごと忘れることが可能。

自分たちで「夏祭り」を開催した話

「平成最後」って枕はもう聞き飽きたけど、今年の夏は暑かったし、夏といえば「夏祭り」だけどちゃんと夏祭りに行ったことはなかった。

「夏のお祭り」に行くことはあれど、「夏祭り」はWhiteberryの歌詞の中にだけあるものだった。

 ↑「夏のお祭り」

でも今年は、たまたま家の近くで「夏祭り」がやってて、こっそり入ってみたらすごく良かった。夏って感じがして。

 ↑「夏祭り」

そんな矢先、「暗蜜会」に参加していた各位で、「屋内で身内だけ集めて、夏祭りを開催したい」って話になった。

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↑「暗蜜会」の経緯

ということで、屋内で夏祭りを開催しました。

 

【開催概要】

会場:都内某所のレンタルスペース

出店:9軒

参加者:述べ30名

 

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会場は都内某所のレンタルスペース。ドリンクバーが付いていた、神か。

で、これから各お店の写真を載せるんだけど、ぶっちゃけ写真で見ると驚くほどちゃっちい。びっくりした。

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私のお店は駄菓子屋さん。アメ横で買ったお菓子が置いてある。

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お面屋さん。

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リクエストするとお面に文字を書いてくれるのでインスタに映えた。

食べ物もちゃんとあった。お祭りだから。

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創作和風居酒屋風POPでメニューが載っている。

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豚肉が焼かれて、

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肉巻きおにぎりになる、などしていた。

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その他、イカが焼かれる、

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はしが巻かれるなどしていた。

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任意の食べ物は、半熟の卵を載せるとおいしくなることで知られていた。

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肉を焼いて食べると美味しいので、困ったら肉を焼いておけばたいてい楽しくなることもまた、明らかになった。

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これは紙芝居。

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紙芝居をしてくれるおじさんが来ていた。

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紙芝居をしてくれるおじさんは、意図に沿った発言をした観客にはお菓子をあげることで秩序を保っていた。報酬体系はマネジメントの基本である。

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ニンテンドースイッチが当たるクジ引きもあったが、残念ながら当選者は出なかった。昨日だけで3人が当選していたらしいので、みんなよほど運がなかったのだと思われる。

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お面屋さんが幅を利かせていて、会場内の光景はいちいちシュールであった。

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誰かに見られている気がして常に落ち着かなくて、防犯効果があった。

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レザークラフト屋さんもあったけど、後ろから見ると白目のひとがいて怖かった。

 

お祭りは準備含め5時間ほど開催されていて、今思い返すと写真で見るとほんとに全てがちゃっちいしなんで5時間持ったのかもよく分からないけど、とにかく終始面白かった。

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ピンボールがあった。

 

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これとか写真で見ると ただのおもちゃなんだけど、この釘の位置と点数配置が絶妙で、人によって得点が全然変わってくるし、ハンドスピナーがなんともいやらしい動きをしていた。景品が貰えそうで貰えない微妙な点数に着地するのが憎かった。

傍から見ているとただ棒きれを押してるだけなのに、いざ自分がやろうとしてこのアングルで盤上を眺めると そこはもう世界だなあって感じがした。

「広い視野で」ってのが良いことのように言われがちだけれど、実際は目の前に没頭する方が楽しめるコツなのかも知れない。何事も。

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いくらだって人工で作られている訳で、どうせ作り物に囲まれるなら精いっぱい楽しんで生きたい。私は最近そう思ってて、いつもそう言ってる。

最後に、「点数占い」なる占いをした。

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今後の運勢や、いかに。

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アニオタのための「カメラを止めるな!」微ネタバレありレビュー

カメラを止めるな!」を見て、とても面白いと思った。でも、じゃあどんな要素が響いたから面白いと思えたのか。それを、普段アニメを見るときに評価している要素から考えてみたい。

というのも私は普段、映画を全然見なくて、他の映画と比べたり喩えたりできない。普段はアニメを見てる。だからアニメで考える。

  ↑まあ言いたいことはこれだけです。

私が「これは神作品!」って自分が言うアニメの特徴として、「脳みそフワフワゆるゆる日常系アニメ」とか「主演声優が花澤香菜」みたいな外れ値を除くと、以下の3要素があると認識している。

 

1.キャラ立ち

主要な登場人物たちのキャラクターが立っているか。一人ひとりの生き方の”違い”が伝わる描き方がされているかどうか。

これは、主要な登場人物が少なければ少ないほど満たしやすくなるし、多いと難しくなる。その分、登場人物が多くてかつそれぞれ違った生き方が描かれる作品はすごい。パッと浮かぶところだと「響け! ユーフォニアム」がある。

 

2.それぞれの正義

登場人物たちの間で対立が描かれている場合、主人公vs悪役という構図にするのは容易い。一方で人にはそれぞれ正義があるはずでどちらの言い分も納得できる形で描かれているとなお良い。し、それが2者ではなく数が増えれば増えるほど難しいし、面白い。パッと浮かぶところだと、「サクラクエスト」「SHIROBAKO」がある。

 

3.伏線の回収

オタクは伏線の回収が好きな生き物である。過剰なくらいに些細なものまでぜーんぶ綺麗に回収してくれるアニメが好き。パッと浮かぶところだと、「四畳半神話大系」「Charlotte」(「ひぐらしのなく頃に」も入れたいけどこれはアニメより原作のが好きだったので割愛した)とかがある。

 

で、この3つの要素それぞれに「カメラを止めるな!」はナイスに合致してた。

1のキャラ立ちなんて最たるもので、あそこまで1人1人の個性が立ってるのはすごかった。し、2の正義も、正義というほどでもないけどそれぞれの事情があって、複雑に絡み合ってるのがスッと頭に入るように描かれてて良かった。

3の伏線については、抽象的にネタバレを含めて言うけど、そもそも後半は全て伏線の回収に充てられるシーンになるわけで、前半を見ているときには「伏線かな?」とはゆめゆめ思わなかったような些細な違和感レベルのインシデントまで全て回収されるのは見ていて本当に面白かった。

あとはさらについでにいうと、「恋愛」と「人の死」というテーマにほとんど触れられてないのが良かった。これらのテーマを取り上げ、インスタントにエモーションを消費させる作品を手放しには評価し難い。

かの村上春樹氏の小説『風の歌を聴け』にもこんな一説がある。

「(略・とある)小説には優れた点が二つある。まずセックス・シーンの無いこと、それから一人も人が死なないことだ。放って置いても人は死ぬし、女と寝る。そういうものだ。」

まさしくこの点でも、「カメラを止めるな!」は良作品だと言えるのである。なお最後に、村上春樹氏の作中にはセックスシーンと人の死が頻繁に描かれていることを付記し、筆を置く。